教育・研究

常務委員挨拶

常務委員 高橋 哲

先端学際工学専攻は、先端科学技術研究センター(先端研)にある独立専攻です。東京大学の附置研究所のなかに設置された唯一の大学院専攻であり、博士課程のみを対象とするなど、様々にユニークな特徴を有しています。工学系研究科に属していますが、その研究分野は理工系の先端研究から社会科学やバリアフリーという社会システムに関わる研究までを対象とし、所長挨拶にもあるように、東大の多様な分野が、小規模な一附置研究所に、個性の強い研究集合体として凝縮された“ミニ東大”として極めて幅広いスペクトルをもっています。さらに、刻々変動する時代に即した実践的・先進的教育の場として、社会人学生を多く受け入れていることも特徴です。

母体となっている先端研は、学術の発展と社会の変化から生じる新たな課題へ機動的に挑戦し、人間と社会に向かう先端科学技術の新領域を開拓することによって、科学技術の発展に貢献することを目的とする(東京大学先端科学技術研究センター規則、第2条)としています。この先端研の使命遂行上、昨今の先進技術の飛躍的な進歩、情報社会の急速な進展、予測困難な世界情勢のダイナミックな変動の中においても、常に、従来常識にとらわれず、本質に踏み込んだ解釈、行動原理を自律的に打ち立てることのできる人材、独自の問題意識を持って新たな知の創造を目指す博士人材の育成は、極めて重要な位置づけを担っています。

先端研のある駒場IIキャンパスは、 周囲は閑静な住宅街に囲まれて、渋谷からわずか2km程度の距離に位置していることが信じられないような、抜群の静寂に包まれた環境にあり、近辺からのダイナミックな環境変動の刺激も相まって、日常に溢れた煩悩を忘れて研究活動に没頭するには絶好のロケーションといえます。従来の枠組を超越した画期的な新しい知の創造には、従来手法の延長線上ではない斬新な取組み、ならびに非常識を恐れない強固な意志が不可欠であり、そのために学術的刺激、環境的刺激のるつぼと化した本専攻の特異な学際的環境、地理的環境が大きな意義を有すると考えております。

失敗をおそれずパイオニア精神にあふれた皆さんの人生への挑戦をお待ちしています。

東京大学大学院工学系研究科 先端学際工学専攻 常務委員 高橋 哲
 2017年4月1日