進路

桝田 祥子 (玉井研究室)

2003年に、勤務先の化学メーカーを退職して、心機一転、先端研でフルタイムの大学院生になりました。それから早10年が過ぎ、現在は、薬学系研究科(出身学部)で社会薬学分野の研究を続けています。

企業内弁理士として働いていた私にとって、先端研での研究生活は、大変刺激的なものでした。一企業の利益だけを追求して知財戦略を立てていたころとはまったく異なり、何のために知的財産法が存在するのか、特に、医薬・医療分野で特定人に独占権を与える意義について真剣に考える機会に恵まれました。当時の先端研は、独立行政法人化前なのに、特許制度やベンチャー起業に関する教育に熱心でしたし、実際に起業されている先生方もたくさんいらっしゃったので、大学の研究成果を実用化するまでの長い道のりについて、現実をもとに勉強することができました。博士課程1年目(D1)の夏休みには、3週間ほどボストンで産学連携・技術移転の研修を受け、その後の半年間は、米国イリノイ大学に滞在し、技術移転に関する海外調査にも参加しました。これらの経験をもとに、「医薬品産業における知的財産保護」に関する学位論文をまとめ、今は、イノベーションとパブリックヘルスのバランスを踏まえた医療・社会システムづくりを目指して研究活動を行っています。

大学院生活を始めたころは、博士を取った後のことは何も考えておらず、きっとまた弁理士として企業で働くのだろうなと、漠然と考えていました。しかし、D3のときにハーバード大医学部の先生に「きみのような研究をしている人は、こっちに来て視野を広げた方がいい」と言われ、ポスドクとして米国でパブリックヘルス領域の研究者と交流したのをきっかけに、研究を続けることに決めました。

先端研の同級生には、いろいろな分野の研究者の卵がいました。だれ一人として同じ分野の人はいなかったように思います。私が「薬学」と「知的財産法」のかけ合わせだったように、一つの分野に収まりきれない研究テーマを持った人たちばかりで、彼らと交流するのも本当に楽しかったです。先端学際工学専攻は、ほかの人とは違うことがしたい人に、ぜひお勧めしたい専攻です。

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