東京大学
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代表あいさつ

2023年4月1日

専攻長あいさつ

  • 専攻長 元橋 一之
  • 先端学際工学専攻は1992年に東京大学大学院工学研究科に開設され、実質的な運営母体である先端研(先端科学技術研究センター)における幅広い分野の一流の研究者が集結し、文字通り、先端的でかつ学際的な教育研究活動を展開しております。具体的な学術領域としては、情報、材料、環境・エネルギー、生物医化学、バリアフリーなどの自然科学分野に加え、経済学、法学、政治学、人文学などの人文社会科学にも広がっております。また、先端研の理念である「社会に開かれた大学組織」というミッションに則り、企業や自治体との共同研究など研究成果の社会還元に力を入れているという特徴があります。

    本専攻は今年設立30周年を迎え、これまで社会人や留学生を含む多数の学生を受け入れ、既に500名以上の課程博士を輩出しています。

    欧米と比較して日本においては博士人材の活用が進んでいないといわれていますが、学術機関のみならず、最近では企業においても博士人材が注目されるようになりました。技術革新の進展に伴って、企業においてもより革新的なイノベーションを生み出す能力が問われています。そのためには、より根源的な理論に立ち返って、科学的な研究プロセスを通じて新しい知見を創造する人財が必要だからです。

    また、社会的に大きなインパクトをもつイノベーションは、異なる技術がお互いに創発しながら生まれることが多いことが分かっています。そのためには尖った専門領域における研究を極めると同時に異分野の研究者との交流も大事になります。本専攻は、その意味でも先端研という理想的な環境のもとに運営されているといっていいとでしょう。

    「先端」と「学際」。一見すると矛盾するように聞こえるかもしれません。しかし、社会に開かれた先端的な科学技術研究を進める私たちの取り組みに共感し、自らもチャレンジしてみたいと思われる方々を、私たちは心から歓迎します。

     

東京大学大学院工学系研究科 先端学際工学専攻
専攻長 元橋 一之

常務委員あいさつ

  • 常務委員 原田 達也
  • 先端学際工学専攻の特徴は、際立ったその学際性にあります。多様な分野で最先端の研究を行っている教員が本専攻に所属しています。「先端学際工学専攻とは」にも書かれていますが、情報、生物医化学、環境・エネルギー、材料に関する先端的科学技術理論や応用を核として、社会科学やバリアフリーなど社会システム研究を含む幅広い分野をカバーしています。

    なぜ、学際的な研究が重要なのでしょうか?一例として、近年話題となっている生成系の人工知能を考えてみましょう。対話文で計算機に尋ねると、少なくとも素人から見たらもっともらしい回答を驚くほどの自然な文章で自動的に返してくれます。この研究を進めるには、人工知能の理論やアルゴリズムだけを考えていれば良いわけではありません。人工知能の学習に利用するデータの著作権を考えなければなりません。人工知能の出力結果に、差別的な発言がないか、マイノリティに配慮しているかなど、公平性や倫理的な課題を解決しなければなりません。さらに様々な分野で安心して利用するために、説明性や透明性を担保する法整備も必要でしょう。

    この例からも、先端的な研究を行うためには、単に専門性だけを追求するだけでは不十分であることがわかります。研究の影響力が大きければ大きいほど、社会への影響を考慮するためにも、学際的なアプローチが必要不可欠です。本専攻は、専門性を深めると同時に、学際的な視点を身につけるための特別なプログラムや、リーダーシップ能力を育成するプログラムを提供しています。さらに、異なる分野の専門家が身近にいるため、交流も積極的に行えます。

    当専攻では、各専門分野におけるブレークスルーを追求したい方はもちろん、学際的なアプローチを活用して社会課題の解決に情熱を傾けたい方も大歓迎しています。皆様と共に、真理の追求や社会貢献を進めることを心から楽しみにしています。

東京大学大学院工学系研究科 先端学際工学専攻
常務委員 原田 達也

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